構造 |
仙台市煉瓦下水道では、下水道としては珍しい煉瓦構造が採用されている。2011年の東日本大震災でも損傷は限りなく少なく、100年以上も現役で活躍し続けるほど丈夫である。コンクリートの下水道ではジョイント部分にヒビが見られ、材質そのものの耐久性も煉瓦の方が勝っている。メンテナンス費等を考慮に入れると長いスパンではコンクリートより煉瓦の方が安価であるが、今では人件費と手間がかかってしまうため当時でしかできなかったという時代背景がある。 |
仙台市の下水道には主に矩形、卵形、馬蹄形の3つがあり、 深さ、勾配、流量等の要因で使い分けがなされている。 |
○矩形 |
主に雨水管に用いられ、川や海へそのまま放流される。そのため水面が決まっており、深い位置に敷設することができない。流量をたくさんとることができるためこの形をしている。 |
○卵形 |
少ない勾配で流速が保てるため固形物等も一緒に流される。平地で勾配が取れないところに用いられる。丈夫である。 |
○馬蹄形 |
人が入れるほどの高さがとられており、メンテナンスが容易である。丈夫である。映画「ゴールデンスランバー」にも登場した。 |
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写真 |
○第一期工事 |
仙台で最初に築造された煉瓦下水道。矩形煉瓦下水渠(内法660mm×900mm、延長500.1m)工事開始明治32年、明治33年完成。片平丁小学校前の広瀬川の排水口から掘削を行い、順次、狐小路、大町、細横丁と上流に進み、全長2100mが竣工した。 |
片平丁幹線 | 矩形煉瓦下水渠の会合部 |
○第二期工事 |
映画「ゴールデンスランバー」にも登場した。馬蹄形煉瓦下水道(内法900mm×1530mm、延長189.4m)明治33年開始、明治36年完成。定禅寺通りの西側の広瀬川の排水口から工事を進めたほかに、国分町角から東へ勾当台の終点に向かう一方、中間からも掘削を進めた結果工事はすべて竣工した。
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定禅寺通幹線 | 馬蹄形煉瓦下水渠の底部 |
○第三期工事 |
卵形煉瓦下水道(内法770mm×1.120mm、延長290.91m)明治36年開始、明治37年完成。明治37年に日露戦争の動員下令や雨の影響で工事を一時打ち切ったこともあった。 |
袋町幹線 | 卵形煉瓦下水渠の底部 |
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